One Way Ticket 2
開店前の仁の店
準備中のドアを開けて中に入る


仁がカウンターでお通しの下ごしらえに追われていた

「よぉ、千香。
どうした?こんな時間に来るなんて珍しいな。」


相変わらずの仁がなぜか安堵させる


「んー
ちょっと、仁に聞きたいことがあって。」


「なんだ?
俺に相談なんて、千香もわかってきたじゃないか。」

得意気に微笑んで私に烏龍茶を差し出した


「あのね。
佐々木良一って知ってる?」


一瞬
仁は驚いた顔をして
またすぐにいつもの顔に戻った


「那智から聞いたのか?」


本当は違う

ただ私が知りたいだけ

でも
「うん。」

気付いたときにはそう返事をしていた


小さなため息と共に仁は話始めた
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