One Way Ticket 2
「那智と良一さんの事…仁から聞いた。」


北風が私を凍らせる

白い吐息が心まで曇らせそうだった


「お母様のこともお父様のことも全部聞いた。


ごめん。


本当は那智が言ってくれるのを待つべきだったのに…



どうしても…」


「勝手に人の一番知られたくないことまで、土足で踏み込んでんじゃねーよ!」


那智の怒鳴り声に私は震えが止まらなかった


那智はそのまま部屋を出ていった


私は凍てつくベランダに立ち尽くしたまま


溢れる涙をただ流していた
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