One Way Ticket 2
第九章 墜落と飛翔
那智の家を出て
当てもなくさ迷う夜街


心はまるで岩のように重く何処までも沈んで行くようだった


那智の怒鳴り声が頭の中で反芻して
壊れた八ミリフィルムのようにビジョンがなんども
思い浮かんだ


泣きつくして
涙も渇れてしまった


ふと
那智と行った動物園が視界に入った


あの日、学校をサボって来た動物園

二人で色々な動物を見て
しっかりと手を繋いでいたのに


右側には…誰もいない


離した手に…温もりはない

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