One Way Ticket 2
「そう。」那智はどこか遠くを見ていた

止まってるような時間の流れ

冷たい夜風がほほを撫でる


「・・・これから、うちに来る?」

那智の視線が私の視線と絡み合う


そっと

私の右ほほに那智のてが触れる


ほほにかかった髪を撫でる


私の体がぴくっと反応した


「・・・来いよ。」


さっきよりも優しい声


でもどこか力強い声


そして
射るような視線


私はこれには逆らえない
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