にんげん賞味期限

「そうだよ。毎日毎日、放課後に練習付き合わされたもんだ。」



そう言って、僕は立ち上がっておにぎりを掴み取り、投げる真似をした。



それを見た和也も立ち上がり、既に空になったビール瓶を逆さまに持ちバットに見立てる。



そして投球モーションに入った、そのとき!



ドンドンドンドン!!



ドアをひっきりなしに叩く音が部屋中に響き渡った。



それは、まるでメガホンを使って僕たちを応援しているかのような激しく強い音だった。
< 10 / 289 >

この作品をシェア

pagetop