にんげん賞味期限

「あの、すごく良かったよ!」



彼女は少し柔らかい表情をした。



「だって私も欲しいと思っていたギターですもの。」



「あっ、いや、そういう意味で言ったんじゃなくて…」



彼女は僕を見透かしたように微笑んだ。



「今日はありがとうございました、楽しかったです。」



そう言って、彼女は広場を後にした。



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