にんげん賞味期限

「どうしたんですか?」



彩夏がそう訊ねた。



「帰宅途中だよ。」



「じゃあ、なんで隠れる必要があったんですか?」



横から僕は少し強い口調で言う。



「この間、ここでライブやってただろ?今日も聴けるんじゃないかなって思ってさ。」



彼は続き様に言葉をつなぐ。



「あっ、でもギターもってなかったから帰ろうと思ったところで…」



そう言って、彼は足早に去っていった。




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