にんげん賞味期限

「なんだったんだろうね?」



「よく分かんないですね。」



気を取り直し、自動販売機で暖かい缶コーヒーを二つ買い、彼女に、はいっと渡しベンチに腰かけた。



「そんな気をつかわなくていいのに。」



「いや、俺が飲みたかっただけだから♪」



彼女はしてやられたといった笑みを浮かべ、僕の横に並んで座った。



「名前言ってなかったよね、俺、桜井駿。君は?」



「伊吹…伊吹彩夏です。」



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