にんげん賞味期限

さらに僕は勇気を振り絞る。




「亜依さんて今だいがくせ――」




「あの俺、和也っていいます!平和の和に也ってかいて和也です!」




和也の太く大きな声は僕の貧弱な声の行き場を無くし、どこかへと消え去った。




横目でみると和也の目は一直線に彼女に注がれていた。




ハァ、やっぱりか…




そう、面倒くさいことに和也とは女性の好みも似ているのだ。

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