にんげん賞味期限
「その子、可愛いでしょ。私の子供よ♪」
そう言って、微笑む。
とても笑顔が似合う優しそうなおばあちゃんだ。
「もしよかったら、何か飲んでいかない?」
ゆっくりとした口調で言う。
「あっ、はい、是非。でも、ちょっと待ってください。」
貧乏な僕はポケットに手を突っ込み、お金を探し始める。
「いいわよ、ご馳走するわ♪」
お金がないことに気づいたのだろうか、おばあちゃんはまた微笑み、ゆっくりとした足取りで店の中に戻っていった。