にんげん賞味期限
日が暮れた頃、混雑した駅前は沢山の人が行き来していた。
僕たちは駅前から少し歩いた並木通りの広場につき、和也は、はいっと言いギターを僕に渡し横目でにやっと微笑んだ。
はめられた!
てっきり和也が弾くものだと思っていた。
しかし、それは僕にとって大した問題ではなかった。
なぜって?
少なからず、僕の気持ちのどこかに自信というものがあったからだと思う。
というか、和也は僕の音痴を知っているからなのかもしれないが…
和也も音痴なのだが、まぁ、そこはお互い様ということでよしとしよう。