狂愛-ソレハジュンアイ-



学校は行かなきゃいけないよ。


あたしがそう言うと陸くんは少し不機嫌になった。


「じゃ、じゃあさ! 土曜日連れて行ってくれる?」


あたしの提案に陸くんは満面の笑みを浮かべて「そうしようか」と言ってくれた。


そんな陸くんを見てあたしはホッとした。


「ほーんと、嶺城はくるちゃんを溺愛してんね」


美里ちゃんの一言に胸が少し暖かくなったのはどうして?


誰も愛してくれないあたしを陸くんはこんなにも愛してくれてるから?


「当たり前だろ。くるみは世界一可愛い女だからな」


あたしよりも可愛い女は沢山いる。


もし、その人の所へ行ってしまったら、あたしは喜ぶ?


それとも悲しむ?



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