君と歩む夢みて~時は平安~
約束
…………
「今日で最後ですね?黄泉様…」
天竜の腕の中にいる私。ギュッとしがみついている。
そんな私に天竜は言そう、言った。
「言わない約束であろう…?」
泣きたい気持ちをグッと堪えながら、この3日間過ごしてきた。
天皇が与えてくれた、僅かな猶予期間。
明日は…天竜が村に帰る日。
時が止まればいいのに…なんて夢のようなことを、
なんども願った。
「黄泉様…」
天竜の優しい声色に、顔をあげる。
優しく笑う天竜。
私の頭をゆっくりと撫でながら、私を見つめていた。
「天竜…?」
私はそんな天竜に不思議そうに問う。
「私が…いつの日か黄泉様に言った言葉を覚えていますか?」
「言葉…か?」
「はい…、
『役目を終えたら村に帰ります。』
と、言う言葉…覚えていますか?」