君と歩む夢みて~時は平安~



実感があるようでない。



そんな、感覚がある。



天竜等が近くにいたのは、ほんの僅かな期間。


だが、私には天竜等が近くにいることが当たり前と思ってしまうほど、大切な期間だった。



そんな…天竜が明日…いなくなる。



頭ではわかっているのに…



わかっているはずなのに…



心の奥底で受け入れられていない自分がいる。



「くっ…」



堪えていたものはプツリと切れてしまったかのよう。



私は尋常ではないほど、泣きじゃくった。



「天竜…っ、天竜…!!」



優しく受け止めてくれる腕は今日までなんだ。



そんな、現実が果てしなく怖い。



明日から…なくなってしまう、今の状態が果てしなく怖い。



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