君と歩む夢みて~時は平安~
…部屋に、一筋の光が照っている。
私はその光の方向に顔を向けた。
2人で過ごしている間に、日付は変わっていたらしい。
夜が明けていた。
明日ではなく…、今日になってしまったよう。
「夜が…明けたようですね。」
私を抱き締めている、天竜が切なそうに言う。
時間が止まるなんてそんな…非現実なことはやはりなく、別れは刻々と迫ってきていた。
後…数時間。
「天竜…っ。離れたく……っ!!」
遮られた言葉。天竜が身を離した私の口元を押さえている。
「言っては…なりません。離れがたくなってしまいます。」
寂しそうに微笑む天竜に、自分の言おうとしていた言葉に後悔した。
「すまぬ…」
唇を噛み締め、俯く。