君と歩む夢みて~時は平安~
別れの時間を惜しむように、俯く私を再度、天竜は抱きしめた。
「黄泉様…」
天竜の真剣な顔、声にドキッとする。
「な、なんだ…?」
「黄泉様…、正直に言ってくださいね?」
耳元で、天竜はそう言った。真剣な声色。
いきなり、何を言い出すのだろう?
と、少し首を傾げる。
「黄泉様は、これからも私を慕っていてくれる…のですか?」
だんだん弱々しくなる語尾。
「あ、当たり前であろう…?」
多少、動揺しながらも私はそう言った。
垂れ下がっている天竜の眉は、不安を隠せていない。
天竜は、一度抱きしめていた私を離し、私の顔をジッと見るとまた私を腕の中に閉じこめてくる。
「私…黄泉様が好きで仕方ないようです。」
そして…そんな嬉しいことを、言う。