君と歩む夢みて~時は平安~
「…そうか。」
「嬉しそうですね?黄泉様。」
「いっ、いいから早く、出さぬか!」
クスクス笑いながら咲威は私の手元に手紙を置く。
…そんなに、私は分かりやすいのだろうか?
恥ずかしくなって、ポリッと鼻を掻いた。
咲威はゆっくり立ち上がると
「では、失礼します」
と、部屋の戸を開ける。
「あぁ。有難うな。」
一言だけ返し、咲威が部屋から出てくのを見送った。
早速、天竜からの文の封を切る。
黄泉様、から綴られた文は温かみがあって思わず文を胸に抱きとめた。
“会える日をいつまでも、待っています。”
そんな、最後の一行が嬉しくて仕方ない。
文を貰う度に、胸がいっぱいになる自分はどれだけ天竜を慕っているのだろう。