君と歩む夢みて~時は平安~
「か、母様…っ?!」
亡くなったのは…噂で耳にしていた。
私が驚いたのはそこではない。
天皇…父様の口から母様の話を聞けたことに…驚いている。
「お主の…母親は……っ」
途切れ途切れのその天皇の言葉に、嫌な予感がした。
「未熟者だな…。まだ、言えぬようだ。」
天皇が私の頭に手を起きながら言う。
無理矢理、聞こうという気は…なかった。
「お話にならなくても…いいです!!別に…聞きたい訳ではありません。」
…嘘。
本当は知りたくて仕方ない。謎めいた母親のことを本当はずっと知りたかった。
だけど、こんな天皇に聞くことは出来ない。
「すまぬな。…だが、黄泉。話はもう一つある。本題はこっちなのだ。」