君と歩む夢みて~時は平安~
ハァ…、ハァ…ッ。
感情を表に出しすぎたせいか、少し息が乱れている。
「落ち着け。黄泉。お主が…成長しないかぎり、何も変わらん。」
淡々と天皇は言う。
1人、熱くなっている自分が馬鹿みたいだ。
「…っ。取り乱して申し訳ありません…」
その場に座り直し、深呼吸をした。
「天皇…私は何があっても…見合いなど致しません。」
先程よりも強い口調で言う。
「…見合いは一週間後だ。」
「天皇っ!!」
私が何を言われても見合いをしないと言い張るのと同じように、天皇も私が何を言っても、利かないようだ。
「もう、夜も遅い。お主も部屋に戻れ。」
天皇が襖を開けながら言う。