君と歩む夢みて~時は平安~
見合い
それから、何事もなく…一週間後。
天皇とはあれ以来顔を合わすことはなかった。
私が避けていたためかもしれぬが。
今日は、隣国の者との見合いの日。
その者は今、私と向かい合っている。
襖みたいのを挟んで。
姿形は見えないが、私の向かいにいるらしい。
その証拠に声が聞こえてきた。
「お初にお目にかかります。私は、星宴と言う者です。」
襖ごしに聞こえてくる声に、黄泉は緊張を覚えた。
「こちらこそ…お初にお目にかかります。黄泉と申します。」
淡々と、言う。顔も見えない相手に向かって。
「…見合いといえど、何を話したらいいか…」
思ったより、良い人のような気がした。
「わ、私も…です。」