君と歩む夢みて~時は平安~
天皇が…言っていた通り…?
「天皇が何を…っ!」
まさか、農民と恋仲とでも言ったのだろうか。
タラリと冷や汗を掻く。
「貴女が…農民と恋仲だということですよ。」
当たって欲しくない予想が見事に当たってしまったそうだ。
「なら、話は早いですね。」
私は動揺を悟られないように、冷静に言う。
「はい。しかし…見合いを受けられないという話は聞き入れることは出来ませぬな。」
「何を…申して…っ!」
天皇はこの者に何を言ったのだろうか。
どこまで言ったのだろうか。
襖ごしの男は天皇に何かを命じられたのに違いない。
「貴様は、天皇に何を言われたのだ。」