君と歩む夢みて~時は平安~
そやつも同じように目を見開いている。
「天竜…」
「どうなされたのです?このようなお時間に。」
「それは、同じであろう。そちこそ、何をしておる。」
「私は…夜風に当たっておりました。」
慣れなくて…とぎこちなく呟く天竜。
おそらく…環境に慣れなくて眠れないのだろう。
「…他の2人は?」
「眠っております。グッスリと。」
「そうか」
…案外、2人とも図太い神経をしているらしい。
なんとなく笑いがこみ上げてきてクスッと笑みを零した。
「黄泉様は…どうなされたのですか?」
「…何故か、眠れなくてな。私にも良くわからん。」
フワッと頭に優しい感覚が落ちる。
「大変、無礼だと承知しています。だけど…黄泉様」
それは…
天竜がすごく優しい手つきで頭を撫でていた。
「安心なさってください。私は…黄泉様を裏切りません」