君と歩む夢みて~時は平安~
保留
改めて見る星宴は、都で噂になりそうなほどの色男だった。
心なしか、目が潤んでいる。
「黄泉様…。私では駄目なのですか…?」
痛いほど伝わってくる真剣すぎる想いに、また目に涙が帯びた。
先程まで、死ぬほど苛立っていた男なのに。
私はどうしてしまったのだろう。
「うぐ…っ、ふぇ…」
涙が止まらない。泣きたくないのに。
「黄泉様…っ!」
突然の急な圧迫感。ギュウッと力強く私は抱きしめられてる。
「なっ…」
にをする…っ?!
そんな言葉は顔を胸に埋められたせいで発せなかった。
「昔から貴女はお変わりになられませぬ。」
私を抱きしめる腕を緩めずに、星宴は若干、声を震わせながら言う。