君と歩む夢みて~時は平安~
「あ、そういえば…黄泉様!」
咲威が何かを思い出したようにこちらを向きながらにこやかに言う。
私は頭に?を浮かべ、咲威を見ながら首を傾げた。
「天竜より、文を授かっております。お読みになられますよね?」
咲威の手にある1つの文。
気持ちが高ぶっている今。それがいつもに増して愛おしく思える。
「咲威、有難う。受け取ったぞ」
相槌を打ちながら咲威は、微笑む。
温かいその笑みに、思わず私も笑みがこぼれた。
手にある文と黄泉様と書かれた天竜の字を見て、更に嬉しくなる。
いてもたってもいられず、文の封を切った。
封筒から、紙を取り出し丁寧に開く。
黄泉様から始まる、文にゆっくりと目を通していく。