君と歩む夢みて~時は平安~
荒れた息と、大量の汗。
頬には涙があった。
何故、あんな夢を…
汗でびっしょりの寝巻きから、着物に着替える。
頭に思い浮かぶのは、終わり際の天竜の切なそうな表情…。
あれから、夢に天竜が出てくるなんてことは一切なかった。
私の願望の表れか…?
そんなことを、1人思い耽ってみる。
天竜は何かを伝えたかったのだろうか。
…考えすぎか?
「…天竜」
ボソッと呟き、昨晩咲威から受け取った文に手を伸ばした。
なんとなく、読み返してみる。
何故だ…。
何故、たかが夢なのにこんなにも…胸がざわつくのだ。