君と歩む夢みて~時は平安~
文を読み返してみるといっても、ただ文を見ているだけで読み返すとはいわない。
頭は別のことを考えており、嫌なことを考えては気分が下がる。
気を紛れさせるため、咲威と弦のいるところに行こうと、自室を出た。
すると…
「黄泉様…」
そこにいる、星宴。
星宴は戸を開けようとしていたらしく、かなりの至近距離。若干、驚き、身を一歩引いた。
「…どうかしたか?」
「私と、一緒に来てください」
星宴はそう言うと、有無言わさず私の手を引き歩き始める。
私が何かを問えば、
「行けばわかります。」
と、そんな一言だけを言い、あとは何も言わない。