君と歩む夢みて~時は平安~



「先程、天皇に黄泉様との見合いは保留とお伝えしたのですが…」



消え入りそうな星宴の声。語尾に行く事に小さくなっていき、とうとう星宴は言葉に詰まった。



「なんだ?!天皇はなんと、申したのだ?!」



星宴の身体を揺さぶり、問いかける。



「黄泉様と…話をさせろ、と…私の話はその以後…聞き入れてはくれませんでした…。」



見合いの件での、“保留”は受け入れてくれなかったということか…。



「私の力不足です…」



そう、申し訳なさそうに呟く星宴に、「それは違うぞ!」と、なんとか励ました。



…まぁ、



こんなところでウダウダしていてもどうしようもない。



私が天皇と話をしない限り、なにも始まらない。なにも終わらない。



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