君と歩む夢みて~時は平安~
受け止める姿勢をしていたわけでもない私はその場に後ろから、倒れ込んだ。
叩かれた部分を手で押さえると、熱を帯びているのがわかる。
急な出来事に頭がついていかず、ただ天皇を見上げた。
目が合った瞬間、天皇は私を立たせ、息を大きく吸う。
「娘の幸せを願ってなにがいけぬっ!」
天皇は私を真っ直ぐ見据えながらそう、言い放った。
「え…?」
横にいる星宴の、困惑に満ちた声が耳に入る。
私は声を発すこともせず、目の前にいる天皇…父様の目をただ…真っ直ぐ見ていた。
「お前に…同じ想いはさせぬ…」
そう弱々しく呟くと、私を腕の中におさめる。
抱き締められていると気づくのに多少時間を要した。