君と歩む夢みて~時は平安~
「星宴、すまぬが…一旦外してくれ」
放心状態の星宴に父様が言う。
それに星宴は、返事をすると慌てて部屋を出て行った。星宴もかなり動揺しているようだ。
これで部屋には父様と私だけ。
「父様…?」
私がそう呟くと、父様は私を抱きしめる力を強め静かに…口を開く。
「黄泉の母親は…我が唯一愛した人は…農民だ。」
農民…?
ということは…父様も私と同じ…?
そんな、馬鹿な…ッ!
「信じられぬか?だが…本当だ。黄泉は我とその農民の子じゃ。」
私の母様が…農民。
父様が…農民を愛した。
衝撃的すぎる事実。父様が今まで母様の話をしてこなかった理由が今、わかった。