君と歩む夢みて~時は平安~
城の貴族は我のことをこう言っているそう。
『変わり者』
別にどう言われようが良かった。
なりたくてこんな位についた訳じゃない。
けれど、これを口に出してしまえば皮肉でしかない。
だから…ずっと。記された通りの人生を歩んできた。
…一つを除いては。
それは、貴族たちの噂そのもの。
農民と恋仲になってしまったということ。
「…身分など関係ないであろう」
この位についてしまってから、滅多に会えなくなった。
会いたい。そう願えば願うほど、虚しくなる。