君と歩む夢みて~時は平安~
感情のままに彼女の小さな身体を抱きしめる。
そして、ある異変に気付いた。
弥栄…太ったか?
お腹あたりにポッコリとした膨らみ。
相手が女子なだけに言いにくい。
「や、弥栄…」
「はい?」
「随分と…大きくなったのだな…」
…もう少し、まともな言い方はなかったのか。
と、自分自身に問いかけたくなった。
「あ、お腹ですか?あと、ふた月程ですからね。…って、知っていらしたんですか?」
「…何をだ?」
「子です。身籠もったのです。」
蔓延の笑みで彼女は幸せそうに言う。
って、子…?
目を丸く見開き、口はポカーンと開いた状態。
そんな我の顔を彼女は面白おかしそうに笑う。