君と歩む夢みて~時は平安~
あれから…弥栄は無事に子を出産することが出来た。
元気な女の子。
名は…2人で悩んだ末、“黄泉”と名付けた。
母親の愛情をこれでもかってくらい、そそがれながら愛娘、黄泉はすくすくと育っているよう。
黄泉とは産まれた日以来、顔を合わしていない。
だが…明日は黄泉の産まれた日。
何が何でも行こうと思っている。
期待を胸一杯に膨らませ、明日が来るのをこんなに楽しみに思ったことは今までにあっただろうか。
未だに城の噂は絶えないけど、そんなの気にならないほど…我は幸せだった。
黄泉の存在を考えるだけで頑張れる。
城の者に軽蔑されたって構わない。
何を言われても気にしない。
こんな強さが我の中にあったことに、自分自身驚いた。