君と歩む夢みて~時は平安~
この時代は位が全て。
上の者が下の者を殺めても、許されてしまうことだって幾度とある時代だ。
そんな時代のなか、私が天皇の子だと知られてしまえば…天竜と幸せになろうなどの考えは無に等しい。
「父様…何故、駄目なのですか…?相手が農民というだけなのですよ…?」
「かつての我と同じことを申しておる…。黄泉、お主が天竜と結ばれれば必ずそれ相応の代償がつくことを忘れてはならぬぞ」
…それ、相応の代償…
それはきっと…母様と同じように天竜が死に至ってしまうということ。
「我は…まだ、あの時の傷が癒えなくてな。黄泉が農民を慕っていると発覚したとき…何度も天竜を殺めようと試みた」