君と歩む夢みて~時は平安~
「本当に、宜しいのですか?…納得できませぬ」
そんな言葉を右から左へと聞き流す。
「もう…決めたのだ。何度言わせる。」
「黄泉様は…本当にそう思っていられるのですか?」
あの後、出かける準備をするため自室に戻ってきた私は案の定、咲威と弦に反対された。
「…私は…次期の天皇となることが決まった」
…そう。
まだ、完璧に確定というわけではないが、もうほぼ決まっただろう。
私は女帝となる。
「…それは、存じております。ですが…ッ!」
「私一人の我が儘で、国を狂わしていいわけなかろうが」
煌びやかな、着物から比較的に地味な着物に着替え、動きやすいように軽く裾を捲った。