君と歩む夢みて~時は平安~








「本当に、宜しいのですか?…納得できませぬ」



そんな言葉を右から左へと聞き流す。



「もう…決めたのだ。何度言わせる。」



「黄泉様は…本当にそう思っていられるのですか?」



あの後、出かける準備をするため自室に戻ってきた私は案の定、咲威と弦に反対された。



「…私は…次期の天皇となることが決まった」



…そう。



まだ、完璧に確定というわけではないが、もうほぼ決まっただろう。



私は女帝となる。



「…それは、存じております。ですが…ッ!」



「私一人の我が儘で、国を狂わしていいわけなかろうが」



煌びやかな、着物から比較的に地味な着物に着替え、動きやすいように軽く裾を捲った。



< 192 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop