君と歩む夢みて~時は平安~
別れ
「驚きました。なにかあったのですか…?」
オレンジ色の空が完璧に闇へと変わった頃。
仕事を終えた天竜と私は向き合って座っていた。
いつ、話を切り出そうか…
そんな考えが頭を支配する。
「…黄泉様、辛いことがあったのでしょう?無理はしないでください」
「…え?」
天竜は立ち上がり、私の傍へ来ると、目の下を親指で優しくなぞっていた。
「天、竜…?」
「泣かれた、のですね…」
先程、父様のもと泣いた私は目が赤く腫れている。
そんな私の目元に気付いたよう。
「…大丈夫だ」
心底、心配そうな表情をする天竜。
胸の奥が疼いた。