君と歩む夢みて~時は平安~
…どれだけ、言っても、言い足りない。
君への感謝の言葉。
月が雲で覆われている今日。
部屋を照らす明かりなんかなく、何も見えない。
暗さに慣れていない目は、天竜を認識するのがやっとのよう。
「黄泉様…」
そんな、熱の籠もった声に、身体が熱くなるのがわかった。
天竜の手が髪に触れる。優しく梳くその手に愛しさが込み上げた。
その刹那、唇に触れた温もり。
「んっ…」
自身から出た声に羞恥が襲う。
途端に恥ずかしくなり、天竜の胸を軽く押してみても、それに意味を持たしてくれず。
何度も私を求めてくる天竜に伴うよう、次第に…私も天竜を求めてきていた。