君と歩む夢みて~時は平安~
唇が離れるとともに、月明かりが部屋に射してくる。
やっと、見ることの出来た天竜の顔は今までに見たことがないほど…
逞しく、男らしい。
直視していられなくて…目を逸らしてしまった。
己の顔を見ずとも、頬が染まっているのがわかる。
きっと、私は
これでもかっ!
って、ほど顔を赤くしているだろう。
「黄泉様…顔、赤いです…」
「…なッ……」
思っていたことを言われて、更に顔に熱が集まった。
その様子に天竜は、クスッと肩を揺らすと私の頭を優しく撫でる。
「なんだか、私まで照れてしまいます…」
そう、天竜は己の照れを隠すように私の頭をわしゃわしゃと思いっきり撫で回していた。