君と歩む夢みて~時は平安~
現状
「なりません!黄泉様、なりません!」
「うるさい!私の言うことがきけぬのか?!」
静かな廊下に響き渡る。
私は、黄泉(ヨミ)
天皇の娘。
しかし…それは隠された事実。
私は…産まれてくるべきではなかったのだから…
「いくら、黄泉様の言うことでも聞けませぬ!!」
「口答えをするな」
「夜に出歩くなど…何を考えてらっしゃるのです?!」
いちいちうるさいこの娘は
多恵。私の世話係みたいなもの。
「私の勝手だろう!」
「いいえ、違います。黄泉様は庶民に顔さえ見せてはいけないのですよ?いい加減わかってください」
「庶民?同じ人だろう?なぜ、差別などをするのだ?」
私は今の国の考えに不満を持っていた。
同じ、人としてこの世に生を受けたのになぜ格差などが産まれるのか。
わからぬだろう?
あってはならんのだ。
差別で…人を殺すなど…