君と歩む夢みて~時は平安~



こんな身勝手な願いに、天竜は一瞬驚いた顔をしたが、すぐ笑顔へと変わった。



「それは、私めの願いです」



そう、笑いながら言う天竜に私は飛びつくように抱きつく。



そんな、顔は見たくないから。



無理して作った笑顔など…見たくはないから。



だけど…気づかないフリをする。



傷つくのは、他の誰でもない君だから。



「天竜………、愛している…!!」



そう言葉に発すことで心の蟠りを誤魔化した。



…顔を見合わせると、



再度…口付けをする。



天竜の髪を優しく…梳きながら。



全身全霊で君を、感じていたい。






< 202 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop