君と歩む夢みて~時は平安~
こんな身勝手な願いに、天竜は一瞬驚いた顔をしたが、すぐ笑顔へと変わった。
「それは、私めの願いです」
そう、笑いながら言う天竜に私は飛びつくように抱きつく。
そんな、顔は見たくないから。
無理して作った笑顔など…見たくはないから。
だけど…気づかないフリをする。
傷つくのは、他の誰でもない君だから。
「天竜………、愛している…!!」
そう言葉に発すことで心の蟠りを誤魔化した。
…顔を見合わせると、
再度…口付けをする。
天竜の髪を優しく…梳きながら。
全身全霊で君を、感じていたい。