君と歩む夢みて~時は平安~
「は、はい!天竜、弦、咲威!天皇に自己紹介を!」
「はい」
天竜が声を発する。
「お初にお目にかかります。天竜と申します。」
緊張しているのか若干、声が上擦っていた。
「同じく、お初にお目にかかります。咲威と申します。」
…3人が自己紹介をしている間、黄泉はどうしようもなく戸惑っていた。
天皇の意図が全く理解できずただその場に身を任せることしかできなかったのだから。
「…黄泉」
「は、はい!」
「私だって、国に納得がいってるわけではない。…どうすることもできぬのだ。」
…父様が寂しく笑った気がした。
「天皇…」
「深い、意味はない。けれど…決して道を間違えるな。」
え……?
「下がってよい。」
どういう意味だ…?
そう、思った頃にはすでにいなくなっていた。