君と歩む夢みて~時は平安~
「天竜を…返していただきたいと…」
茶を飲んでいた手が…ふと止まった。
「…何を申すか」
「天竜は、村一番の働き者でした。…人手が足りなくなってしまったのです。」
心の奥がザワザワする。
「…断る。」
あ…
無意識にでた言葉に自分自身が驚いた。
わ、私…今、なんと…
「…そうなっしゃりますよね。」
「いや…」
「失礼致しました。」
返す言葉も考える暇なく、私は外へと案内される。
自分の発した言葉に…驚いた。