君と歩む夢みて~時は平安~
反発
よそよそしい。
それに気づいたのはつい、最近だ。
多恵を始め、城の貴族達の態度がどうも最近おかしい。
すれ違う度にあった挨拶も今では、見てみぬふり。
…急激にである。
急激に私は城中から冷たい視線を浴びるようになった。
「多恵…」
「はい。なんでしょう?」
ニッコリと微笑む姿などなく、ただ下を向き、目を合わさないようにしているように見える。
「どこを見ておる。」
「はい。すいません。なんでしょう?」
「なんでもないわ。」
当たり前の仕打ちなのかもしれない。
してはいけないことをしてしまった私への、
当然の仕打ちなのかもしれない。
「黄泉様、そろそろ失礼します。」
話し方1つ1つが素っ気なく、笑った顔すら、最近見ていない。