君と歩む夢みて~時は平安~



…ブチッ



実際そんな音がするはずないのだが、そんな音がしても良い程…キレてしまった。



保っていた理性を無意味にしてしまうが…



怒った勢いには叶わない。



そのまま襖を開ける。



バンッと襖と柱がぶつかり合う音が静かな廊下に響き渡った。



いきなりの登場に驚いたのか、仕付けのなっていない貴族…その部屋の主は驚き、目を見開いている。



私が襖を開けると同時にか天竜も立ち上がっており、今にも殴りかかりそうな勢いだった。



更に距離縮めて行く。



「黄泉様!天竜!」



胸ぐらを掴もうとしていた手が怯んだ。



後ろから圧力を感じる。



誰かに行く術を拒まれているからだ。





< 39 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop