君と歩む夢みて~時は平安~
…ブチッ
実際そんな音がするはずないのだが、そんな音がしても良い程…キレてしまった。
保っていた理性を無意味にしてしまうが…
怒った勢いには叶わない。
そのまま襖を開ける。
バンッと襖と柱がぶつかり合う音が静かな廊下に響き渡った。
いきなりの登場に驚いたのか、仕付けのなっていない貴族…その部屋の主は驚き、目を見開いている。
私が襖を開けると同時にか天竜も立ち上がっており、今にも殴りかかりそうな勢いだった。
更に距離縮めて行く。
「黄泉様!天竜!」
胸ぐらを掴もうとしていた手が怯んだ。
後ろから圧力を感じる。
誰かに行く術を拒まれているからだ。