君と歩む夢みて~時は平安~
「すまなかった」
頭を下げる。
その行動に天竜達が驚いているのは言うまでもない。
「よ、黄泉様?!顔を上げてくだされ!」
天竜が駆け付け、私の頭を上げさせようとした。
それでも上げない私。
自分の無力さを思い知り…自分の御付きにまで嫌な思いをさせてしまっている。
情けなくてどうしようもない。
「私は…何もできぬ…!」
「黄泉様…」
暗い空気がこの空間を包んでいた。
「黄泉様…御自分を責めないで下さい。私達は黄泉様の御付きである故、このような仕打ちを受けるのは覚悟しておりました。」
「しかし…!」
それに、甘えて良いはずがない。
戸惑っている私に優しい笑みを見せる天竜。私を見据えては言う。
「黄泉様、私達は貴方様にお使い出来て大変幸せです。」
天竜の優しい言葉が胸に響いた。