君と歩む夢みて~時は平安~
「黄泉様…?随分と嬉しそうですね?」
頬が緩む私に気づいた天竜はそう、私に問う。
「あ、あぁ…」
緩む頬を手で伸ばしながら、ぎこちなく返した。
「黄泉様、歩きましょうか。」
「そ、そうだな」
歩き始める天竜についていくように、足を進める。
赤く…染まる頬は俯いて、隠して。
ギュッと袖口を掴む。
真っ直ぐ前を向いて歩く天竜から…
目が逸らせない。
「黄泉…様?どうなされたのですか?行きますよ?」
「わ、わかっている。」
上擦る自分の声に赤い顔がますます赤みが増しているのがわかった。
顔が…火照っているように熱い。
顔を天竜に見られたくなくて、少し歩く速さを遅め距離を開ける。