君と歩む夢みて~時は平安~
「黄泉様…何故そんな離れて歩いているのです?」
「り、理由などないが!!」
…お前に顔が見られたくないからだ…っ
「離れていたら、困ります。いつなにがあるのか分からないのですから。」
「………」
「……すいません」
ギュッ…
……………………え?
黄泉の目に飛び込んできたものはしっかりと、繋がれている2つの手。
明らかに…天竜と自分の手。
「なっ……」
「大変失礼だとは充分…存じております。…しかし黄泉様を御守りするためで御座います。」
そう言う、天竜の顔は私に負けないくらい…赤くて。
少しだけ、頬が緩んだ。
「黄泉様ー!天竜ー!」
遠くから弦の声が聞こえる。
私と天竜は一瞬顔を見合わせ、その声に向かって歩き出した。