君と歩む夢みて~時は平安~
「どうした?弦?」
「…ここに……って、え?」
弦は少しずつ目線を下に落としていく。
目を見開き、何回か瞬き。また、見開いて…瞬き。
「手………天竜!黄泉様に失礼だぞ!」
どうやら、繋いでいる手のことらしい。キッと天竜を睨んでいた。
「…黄泉様を守る為だよ。」
「じゃ、俺が!」
「駄目だし。」
駄目なのかよ?!なんて弦は1人で突っ込んでいる。
…………
自惚れかもしれないけど…
弦が「じゃ、俺が!」って言った時…手を強く握ってくれた…?
ギュッて…まるで、離したくないみたいに。
やっぱり、自惚れ…かな?
緊張で少し汗ばんだ手。繋がったところから温かくなってく気がする。
なんというか…心が和らいでいく。