君と歩む夢みて~時は平安~
ただ…君に私以外の人が近くにいて。
その人は私の知らない天竜をたくさん知っている。
そんなの当たり前。
私の知らない天竜がいるなんて当たり前。
けれど…嫌だ、と思ってる私は何なんだろう。
当たり前なのに。
私は貴族で、天竜は農民。
根本的なものが違う。何もかもが違う。
身分なんて、関係ない。身分を関係ない世をつくるのが私の目標。
だけど、今。身分の違いを思い知らされた気がする。
たった1人の女の子の存在で。
私より………私より、天竜を知っていてなにより天竜と同じ立場。
「お初にお目にかかります。黄泉様。私、雫と申します。」
天竜の横に並ぶ雫の姿は…自然体で。
雫の横に並ぶ天竜の姿は…自然体で。
私の心は醜い真っ黒のなにかに覆われた。