君と歩む夢みて~時は平安~
「あぁ…雫と申すのか。宜しくな。」
胸がウズウズと疼く。雫に微笑みかけてる天竜を見てられなくて目を逸らした。
「天竜ってば、少しは顔見せてよね!」
「俺も暇じゃねぇの」
いつもと雰囲気が違って、
話し方も仕草も違って、
真っ黒のなにかは更に黒さを増していく。
「…なんで、離れるのよ…。」
…………なっ…。
「あ?なに?聞こえなかった。」
「なんでもないっ」
気のせいなんかじゃない。確かにそう、言った…。
「…なんで、離れるのよ…。」確かに天竜に向かってそう、言った。
嫌な予感が的中する。
そうだとは薄々感づいていたけど…そうではないことを願っていた。
だけど、やっぱり…
この子も私と同じ目で、
天竜を見ている。