君と歩む夢みて~時は平安~
誰もが思うだろう…
この、怖いもの知らずが!と…
自分だって思うがこればっかりは曲げられない。
「父様…」
今、私の目の前には天皇がいた。
…私の実の父親…。
「黄泉、なんだ。お前がくるんだから頼み事か?」
…さすが、鋭い。
伊達にこの国を束ねていない。
「大変御無礼だとはこの黄泉めも十分承知しております。…折り入って頼みがあるのです。」
堅苦しい、そう言っては微笑む、父様。
「なんでも、申すがよい。お前にはなにもしてあげられてないからな…」
父様…
優しい父様に対して出そうな涙を必死にこらえ、私は言う。
「私が…村に出ることを許してください。」
「…なにを申すか」
声色が変わる。
予想はしていた。人一倍決まりにはうるさいお人なのだから。
同時に…覚悟もしていた。